さがしもとめるかたち
〜過去・現在・未来をみつめて〜

第54回日本児童青年精神医学会総会
会長 齋藤利和

ご挨拶

 第54回日本児童青年精神医学会総会を平成25年10月10日から12日にかけて,札幌市で開催することになりました。副会長を氏家 武,事務局長を館農 勝,副事務局長を田山真矢で勤めさせていただきます。

 児童精神科医療が我が国に根付いてきたその根底に、子どもたちの健やかな育ちを願って支援を続けてきた人々の深い愛と厚い情熱を見てとることが出来ると思います。今回の総会のタイトル「さがしもとめるかたち〜過去・現在・未来をみつめて」には、そうした人々によって、子どもの健やかな育ちの場が過去はどのように求められてきたのか、現在、その過去の思いや試みがどのように結実しているのかを検討し、これから医学の進歩と共にそのかたちはどのように変わっていくのか・いかねばならないのかを語り合い、未来にむけての提言にしたいという願いがあります。例えば、子どもが健やかに育つ基盤となる家族のあり方を一例にとりますと、今や、子どもが当たり前に育ってきた大家族や地域に住む人々の結び付きに支えられた社会は消失しつつあり、核家族化、女性の自立、そして共稼ぎの増加などによって子どもの育ちの場である家族のありようも多様化してきています。こうした中で、子どものこころの発達はどのように変化してきただろうかを考え、将来の家族の在り方を提言したいと思います。

 子どもの心の病理を扱う児童精神科医療のニーズは年々高まっています。今や、子どもの心の健やかな育ちが危ぶまれている多くの場があり、我々にはその背景を深く掘り下げ、問題を明らかにし、子どもがより健やかに育てるように未来に向けての知恵を創造していくことが求められていると思います。札幌での総会におけるさまざまな交流や議論は、このようなことを一貫して意識しながら行われることを願っております。

 第54回日本児童青年精神医学会総会では,こうした視点のもと,学会員のための学術研究集会としての役割にとどまらず,各地域で児童精神科医療に携わる多職種の方々の研修会としても重要な役割を果たすものと考えております。本総会では,特別講演,先達にきく,各10程度の教育講演とシンポジウム,症例検討,一般公開プログラムを含めた委員会セミナーなどのプログラムを予定しております。特別講演には,上述した観点から理事長の齊藤万比古先生に「国府台病院児童精神科の過去・現在・未来」と題する講演をお願いしています。また、本総会での新たな取り組みとして,精神医学における国際化の潮流に従い,海外から複数の講師をお招きし,国際セッションを企画する予定です。本稿執筆時点において,英国のK.A.H. Mirza先生,Anula Nikapota先生,米国のRachel Klein先生,韓国のTae Kyung Lee先生から参加の内諾を得ております。出来る限り同時通訳をいれて会員の皆様には日本語でセッションに参加していただくようにしたいと思っております。総会におけるプログラムの詳細につきましては,本ホームページにて,随時,公開致しますので御参照下さい。

 たくさんの会員のご参加を心からお願い致します。共に未来に向けて、新しい児童青年期精神医学・医療の形を語り合おうではありませんか。





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